彩り。

醒めた目も 見開いた目も
生死を確認する為だけに向けられた足音も
君は描かない なぜなら僕だけのものだから
なぜかはわからないけれど
聞こえる 鼓動
君の中に生きている



包丁を持って這って来る
怖くは無いよ わかっているから
後悔する事も 後悔している事も

僕を足元からたくさん、たくさん刺した後
君は僕の喉元で刃を止めて
涙を流したね




僕はそうなるまで笑えなかった
そこまで君にさせなければわからなかったんだ

君は僕の好きな晩御飯や
遅刻癖や勉強嫌い
僕の駄目なところ全部、わかっていたのにね。

そんなモノクロな現実と言う夢
君と居たら消える
もう聞こえない 鼓動
僕の中にはもう居ない
君の中と同じで

すべてがいとしいなんて
きっと歌わない

最後の日には
笑顔を見せるよ
あの通りで
一緒にキラキラしたものを見ていた
あの川の向こう側に
たくさんの風を感じた




全部持っているから怖くないよ
悲しい人だって笑ってあげられる

僕をたくさん刺して
笑わなかったから、僕の顔がわからなかったんだね

君に、穴をあけられてない手を差し伸べて
抱きしめようとしたら、消えた

君に、出会えたよ。
だから、君も僕を見て涙流してるんでしょう?
わかってるよ、全部。

まだ、消えたくないなぁ。だって、やっと
消えたくないって思ってるんだもん