*雨戸を閉めた僕は全世界を失った

夏の空、入道雲が涌いている
耐えられなくて雨戸を閉めた

隙間から漏れる光と
殆どの暗がりの中で

安心することはなくクーラーを付けた



右手にも左手にも嵌らない

リングは僕のせいで

重力に負けた真っ直ぐな脊椎が

お前はおかしいよ、と話しかけてくる



部屋の中には沢山の人が居て

まばたきする度に光は揺れて


壊れかけたサロペットを脱ぐほどに、真実は遠くなる気がした。


外はきっとまだ戦いが炎々と続いていて

丸腰の奴らは食べられてしまっただろう


残っているのはきっと未完成だけで



僕はきっと真っ黒い奴だけしか勝者を見つけられない



もしもこの部屋が方舟になって

他は光に食べ尽くされていたら



僕は諦めて
君だけと話していよう

君だけと話していよう