*たまたま、1987番線から電車に乗った僕たちは

手紙を書くよ、届けても届かなくても良い

切り刻んだチョコ
苦い苦い 変な味がするよ
溶かしてかけて
靴ひも固まっちゃったね

お砂糖入れるの忘れちゃった

一生、とか
永遠、とか
失くしてこそ完璧に映るもの
違うんだけれどね
本当の価値はそんなところにあるものじゃない

ちょっと真っ赤な日なだけの
日本製のヴァレンタインには握り締めたこぶしを開いて
冷たい手だ 震える足だ
その筋を辿って行き着くところまで。

最初と最後にはこの苦しさをずっと握っていよう。
手の中にほらあるでしょう。

ちょっと、具合が悪いだけ
ちょっと、調子が悪いだけ
ほら、ほらだって薬も飲んでるの
ほら、ほらだってよく眠っているの
お腹にだって背中にだって張り付いているのよホッカイロ
薄い咳だからって心配しなくていいの

実はここに居るほうが何十倍も大変で
実はここに居るほうが何十倍もすごくて
実はここに居るほうが何十倍も喜ばれて
実はこっち側に着た僕は耳が空になって耳が海になって

だって、だってさ。
そんなこと言わなくたっていいじゃない。

今夜窓から振りまくの、入れ忘れたお砂糖。
だって、君に砂糖ばっかりあげるのはあたしじゃないもの。

あなたじゃないかもしれないけれど。